自分の身は自分で守る|天気予報から気象情報を読む方法

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ここのところ、天気が安定しません。この時期にまさかの前線が停滞してしまうなど、長いお盆休みでしたが…
雨が多く、今週は大雨による山岳事故も起きています。せっかくですから、私が見ている気象サイト(tenki..jp)の読み方をご紹介したいと思います。



登山における天気サイトの見方

この週末、16-17日で、ワイルド1ツアーで、燕岳に向かいましたが、予想どうり雨模様。
中房温泉から出発時には、大雨となり、雷もやっぱり来ました。
結果、第一ベンチにて、撤退いたしました。
私は雷が2回なると基本的に撤収することに決めています。
「生き延びたければ無理はしない♪」
なのです。
総勢23名…仕方ないので、有明荘に寝床を移し、1泊2日ののんびり温泉ツアーに変更。
少々運動不足で終わりましたが、まぁ、温泉でゆっくりできたので、ヨシとしましょう♪

 

雨の日の登山について、ですが、
雨の日は山に登らない。
こういうスタンスの人が多いと思います。
基本だと思います。
ただ、その多くは、雨を避ける(いやな登山をしたくない)だけのものである場合が多いことでしょう。
事故を未然に防ぐに当たって、危機回避、を考慮する必要が在ります。

 

どうしても登りたい山。
この日しか登るチャンスがない。
午後には雨が上がる(悪天候になる)予報
下界は晴れの予報だった…。

 

こんな状況は、よくあるはずです。
ニアミスはだれにでもあるものです。
でも、それが、許されざる最後の選択、にならないためにも。
自分が、自然の一部であることを思い出して、行動したいものです。

 

そこで、大事なのは気象情報!
気象に関しては、現在、スマホでも簡単にレーダーやアメダス、注意報などがタイムリーに手に入ります。
山の気象情報をメールなどで知らせてくれるサービスなどもありますが、
まずは、人頼みではなく、自分で考え行動できるようになれるほうが理想です。
(サービスが悪いというのではなく、「知らせてくれる・教えてくれる」という受身のスタンスからの脱却ということです)

 

たいていの登山者は、「天気予報」しか見てないのかな?と思っています。
天気予報ではなく、気象情報を見るようにしましょう。

天気jp 気象情報の見方|登山者における心得

私の天気チェックの仕方をご紹介します。
簡単ですし、こんなことでいいのかとも思えますが、今どき天気図を描いたり、特殊な気象図を読んだりする人もすくないですし、そんなことまですることもないと思います。
なぜならば、2010年くらいから、もう気象庁にも予測ができなかったような異常気象が、ピンポイントでやってきているのです。
それを考慮するくらいのことだとおもいます。

 

さて、私は、たいてい、気象協会(TENKI.JP)を見ています。
気象庁のサイトも見ますが、はっきりいって、少し見難いサイトです。しかもスマホで見ると操作が面倒ですw
他にも優秀なウェザー系のサイトはありますが、私は気象協会のもので慣れてしまったために、コチラで確認しています。

 

山で役立つ気象情報チェックポイント

天気予報と天気図で全体の流れをみる。

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天気jpのページを開くと、左上に全国の天気予報の窓があります。ここで全国の予報が確認できます。この画像の地域をクリックすると、各地の天気予報がでてくるのですが、まずはそこに行かずに、全国の予報をざっと読みましょう。全域で天気が良いのか、あるいは、部分的なのか、などわかります。そして、日付をクリックすることで、先の全国の予報もわかります。
出発が二日後なら、二日後の全国の予報を知りましょう。
この画像の部分には、そのほかに、全国の気温(最低/最高)降水確率も見ることができます。

 

天気図

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次に、天気図を見ます。こちらを先にみても構いません。気象図の勉強をしてなくても、高気圧と低気圧、雨を降らす前線や、等圧線の混み具合などが理解できれば良いです。これで、日本がどのような気象下なのかを見ておきます。ここでは、72時間後(明後日まで)の気象予想図が出ます。これでいえることは、3日以降の天気予報は意外とどうなるかわからない、ということです。
週間天気予報というのが出ますが、現在は、3日以降の予報確率自体に、その予報の精度判定(A~C)まであり、とくにC判定になっている予報などは、アテになりません。
また、72時間予想図や週間予報は、定期更新間隔が長いので、データが古い場合がありますので、発表日時も確認が必要です。

 

衛星画像と雨雲レーダー

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衛星画像は出発前日や当日、雨雲レーダーは山中(行動中)などでは必ず確認しています。
いわゆる地域の天気予報は、あくまでもその街の人たちの生活情報です。山の気象はそれとは大きく異なることが多いです。ですので、地域の予報よりも、実際の雲の様子や雨雲の移動などを参考にしたほうがよほどましかと思います。現在はスマートホンでも電波が通じれば、動くアニメーション形式で、雲の動きを見ることができます。レーダーは6時間先までの予測も見ることができます。
気象画像で日本全体の雲の動きを追ったあとに、目的地域をクローズアップた雨雲レーダーを見てみましょう。
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雨雲レーダーの予測画像では、予想降水量によって色が変化します。色が黄色から赤くなっているところは要注意で、雨が降るどころが、ひどい雷雨になる可能性が大です。ただし、小まめにチェックするとわかるのですが、数時間でも、レーダーの予測が大きく変わることもあります。

 

雨続きなど不安要素があるとき

注意報・警報を確認
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もし、大雨などで判断を迷う場合は、防災情報の警報・注意報をチェックしてください。
画像の黄色は注意報、赤色は警報が発表されています(左図)この図の場合、岐阜・富山に大雨警報が出ています。長野には警報はでていませんが、アルプスなどは、岐阜・富山との県境ということもあり、西側の気象を重視します。また、時間がたつと、雲が流れて長野にも大雨警報が出る可能性があるとも予想できます。

 

アメダス(降水量・風向風速)

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長く雨が続いたり、数日前に大雨だった場合には、アメダスのデータを確認します。降水量は、MAP画像の下のほうに、72時間降水量というのがあり、そこで過去3日の降水量を確認できます。心配なら、それ以前の過去のデータもチェックできます。
ここ最近の72時間雨量が1000mmを越えるなどというニュースもありますが、1000mmとはいわないまでも、300mm以上であれば、地盤が緩い、沢が氾濫している、などのことも十分考慮できます。
アメダスは降水量だけでなく、風向・風速や気温、日照時間、積雪深なども確認できます。あくまでも、計器が設置されてある場所のデータで(多くは街だが、山間部もある)、場所によって、すべてのデータが計測されているわけではないです。

 

山の天気予報

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最後にこれをチェック。夏になると山の天気予報がでます。現地、例えば槍ヶ岳をみると、そこの数日前までの天気と、週間予報まで出してくれています。
マイナーな山やシーズンオフにはいってくると、週間予報は、地元の天気予報にかわります。槍ヶ岳の場合、おそらく松本の週間予報です。しかし、松本は山の東側になり晴天率が高い地域です。参考にするなら、高山の予報であるべきです。
つまり、山の予報はあるとありがたいのですが、しっかり判断できるうえでの、最終確認程度に見るのがいいんじゃないでしょうか

 

まとめ

夏山においては、1週間以上先の街の天気予報をみて一喜一憂するのは、無駄なエネルギーの浪費です。
2~3日くらい前になったら、気象図と週間予報の降水確率(予報の正確度も)などを確認。
前日には、更新された天気図予測天気図、雲の流れ、地元地域の時間別の降水確率や予想気温など。悪天続きなら、アメダスなどで過去データをチェック
当日・現地では、雲の動き雨雲レーダー、悪天なら、注意報警報の確認と地元天気の時間別による降水確率など

 

ちなみに、撤退の判断は、早ければはやいほど簡単にできます。
最初の判断のときに、けっこう悩むような場合は、もしそれ以降に判断を延ばすと、今以上にキケンで難しい判断となることがあることを知っておきましょう。

 

グッドラックですb