山の原点|自転車漂流講座との出会い

私は今、山に登ったりして生活をたてていますが、そんな山ノボラーになった出発点というものがありました。
部屋を整理していたら昔の本が出てきたので、ちょっとプライベートで申し訳ないですが、書いてみたいと思います。


山のガイドなんだから、さぞ若い頃から山好きだったのか、といえば、そうではありません。
小さい頃からお父さんに山に連れて行ってもらったりした経験があって、はつらつとして山で遊んでいた・・・
そんなのは、イメージです。たいした素質もなかった気がします。

 

中学生のときは、正直、
山などキライでしたね。きついし、つかれるし、足は痛いし、、、、
うざい、めんどくせー。
今の中学生と一緒です(中学生に失礼ですね)

 

でも、自然はなんとなく好きでした。
キャンプとか探検とか釣りとか・・

 

そして、その頃、疲れていました。人生に…

 

私の原点は、このネガティブな自分&環境からの脱却でした(笑

 

そして、その後押しをしてくれた一冊の本がありました
(厳密には、もう少し本や人と出合ったりしていますが)

 

それがこの
のぐちやすお著
自転車漂流講座
というものでした

 

この人、世界中を、数年かけて、数回にわたり自転車で放浪していた人です。
この本は、自転車旅行の素晴らしさや格言が書かれているのではなく、自転車貧乏旅行の具体的なやり方、がこと細かに書かれています。
すでに廃盤ですが、これを手にしたのが当時17歳。
いまは情報が氾濫していますが、この当時、この本以外、たいして調べもせずに、翌年、進学高校を中退して、自転車を買って日本一周旅行に旅立ちました。

 

ここで、あれ、山とは関係ないんじゃないかな?と思うでしょう。
私は高校のときに部活で山岳部になぜか入部していました。
山登りなどきついことは苦手なくせに、野外は好きでした。
しかし、本当に入部したきっかけは、友人Aがいたからです。進学校の卒業先は、多勢が当時、有名大学。つまり、ほとんどの人間が、レールの上の特急列車の指定席に座っていたのです。私は入学早々落ちこぼれましたけど(笑
そんな中で、こいつ(A)は明らかに自分の意思を持っている、というヤツでして、それが山岳部にいましたので、なぜか引かれて入部したのがきっかけです。
で、そんな消極的な入り方をしていましたので、やはり、ハードな内容にはかなり鍛えられました。

 

でも、なぜ自転車だったのかというと、自転車しかない、と思ったからです。
バイトは小学校のころからやっていたので、お手のものでした。バイトをしながら、お金を貯めて、15万ほどのマウンテンバイクを購入し、キャリアも取り付けます。そこに15l程度のサイドバックを二つ、カメラ用のフロントバックを一つ、そして、70Lのザックを横に倒して括り付けました。
自転車旅行の出発がせまってくると、もう不安でたまらなかったように思います。
そんなときに、「そうだ!山に登ろう!」と、明確な目標が生まれました。
つまり、自転車で日本中をこぎながら、通過する山を登るというマイ企画でした。
がぜんヤル気が出てきたのを覚えています。
なぜか?
山登りがきつくてたまらなかったのに、自分の意思で登りたいと思ったら、ワクワクしてきたんです。

 

自転車漂流講座には、道具を揃えたりすることから、どこに寝るのか(公園・砂浜・橋の下など)とか、自炊のこととか、実体験にもとにいろいろと説明してありました。
18歳の最後の月に、家族も家も学校も捨てて、わずかなお金と自転車で、見知らぬ地へと旅に出たのでした。
おかげでいろんなことを体験させてもらいました。
今思えば、そんなことが簡単にできた時代だったんだなと思います。ありがたや。
続く・・・

 

 

のぐちやすおさん、最近はこんな本だしていました。