山登りをしていると、ときどき、「どの山がよかったか?」ということを聞かれます。
ほとんど漠然としたその質問は、情報収集のためかと思われますが、実際、山は行った人によってまったく違いますから一概にはいえないですし、比べられないものでもあります。
というのもなんですので、今日は、心を打った経験として、夏山縦走コースに絞って書いてみたいと思います。
まずですが、ほんとうに心打たれるというときには、条件があると思います。
たとえばこんなこと。
きつい思いをする
激しい気象状況
あきらめきった天気や状況
つまり、山に打ちのめされるときでしょうか。
それでも自然がいきなり見せる情景に出会うときがあります。
その苦しみというかネガティブな思い・体験と、そこから開放された瞬間の感動。
山も精神も「落差」が大切なんでしょうかね(笑
これは、初めて行ったトムラウシ縦走でした。このときは天人峡温泉から上がっています。避難小屋泊装備で上がったのですが、登りのルート中、すさまじい蚊の襲来にあって、ほぼ縦走路に出るまで、まったく休まずにハイペースで登りました。でも、稜線のはじめてみる景色は感動でしたね。そして、旭岳温泉におりてから、天人峡までのトラバースも走りました(バスに遅れるとおもったんで)。死ぬかと思いましたけどね(笑
まぁ、トムラの縦走路はいついってもよかったですね。広大で規模が大きく、雄大です。
層雲峡~黒岳~北鎮岳~裾合平~姿見~旭岳~白雲岳~五色岳~ヒサゴ沼~トムラウシ~トムラウシ温泉
テント・小屋泊 3-4泊
いまはカムイワッカの滝に降りられないのですが、当時は硫黄岳からカムイワッカに降りて温泉の滝に浸かるということをしていました。実はけっこう隠れ羅臼岳ファンは多いのではないかと思っています。私が登りだしたときは小雨が降る中でした。もう、荷物も重くて、下をずーっと向いてモクモクと歩いていたんですけど、ふと、頭をあげると、雲海のラインにでていました。そこから先は雲海の中に知床が浮かびあがって、天上は真っ青な日差し。感動でしたねw クマにビビッていましたが(笑
木下小屋~羅臼岳~硫黄岳~硫黄岳登山口
テント1泊
まだ縄文杉に触ったり寝そべったりできたときですね。真夏に行ったのですが、海岸の防波堤から登るというわけのわからない計画を立てられ、ついていきました。17歳です。もう暑いしきついし、心折れまくった数日間でしたが、縄文杉と水のうまさが忘れられません。永田岳の景色も最高でしたね。
淀川登山口~淀川小屋~花之江河~黒味岳~石塚小屋~宮之浦岳~永田岳~鹿之沢小屋~花山歩道~花山歩道登山口
テント・無人小屋2泊
予定を4泊5日でセットしました。室堂から歩くときは、食料(パンのミミとか)がザックに入らないので、両手に買い物袋を持っていました(笑
長い薬師岳を越えて、黒部五郎から三俣蓮華、双六を通って、笠ヶ岳、槍見温泉へ抜けました。
そして、「若者は先を急ぐ」ことから、このコースをこの装備で2泊3日で終わらせたのでした。
もちろん、歩く時間が長すぎて、きつかったですが、三俣蓮華からのおぼろ日と沸かしたコーヒーが鮮明に記憶にのこっています。
室堂~五色平~薬師岳~太郎平~黒部五郎岳~三俣蓮華岳~双六岳~笠ヶ岳~鏡平小屋~新穂高
山小屋4-5泊
いつか奥駆道全ルートを歩きたいと思っています。56kmでしたっけ?歴史の残る道で、熊野詣での修験道です。
このときは、天川神社という弁財天から登りました。この神社にいってみたく、そこから、八経ヶ岳めざし、女人禁制の山上ヶ岳へ。なんというか、関西にこんな山深いエリアがあるのは新鮮でした。ある程度登ってないとこの良さが分からないかもしれませんが。
大峰大橋~山上ヶ岳~大普賢岳~行者環岳~弥山~八経ヶ岳~天川村川合
山小屋2泊 男性のみ
九州の縦走といえばコレでしょう。体力試しの祖母傾!傾山の九折越小屋と、祖母の頂上直下に山小屋があります。傾山は、祖母とくらべて行く人も少なくなりますが、この縦走路は九州の山屋の登竜門的な場所じゃないでしょうか。
九折越登山口~二つ坊主~傾山~九折越小屋~笠松山~本谷山~尾平越~古祖母山~障子岳~祖母山~九合目小屋~宮原分岐~大障子岩~前障子~黒岩山~上畑
無人小屋・テント2泊
イチオシ時期はGW