アイゼンとピッケルがだいぶんボロボロになってきまっした。ということで今日はアイゼンとピッケルを研ぎます。ネットを見ると、けっこういい加減な研ぎ方をしている人も多いようです(私が正しいとはいいませんが)。参考までにちょっと研ぎ方を紹介します。
※あくまで我流ですので、自己責任でお願いします
アイゼンを研ぐというのは、毎年ですが面倒なところがありますが、このアナログ作業に没頭するのは、じつは精神面の癒しになるんですよねぇ・・・・(え?
今日研いだアイゼンとピッケルはこれです。どちらもグリベルですが、もうだいぶん爪が丸くなっています。ピッケルに関しては、ボコボコですね(笑
グラインダーなどを使うと焼きが入りますし、あまり一般的ではないので、ヤスリを使います。※グラインダーでやれる人はグラインダーでどうぞw
ヤスリといっても、金属ヤスリです。ホームセンターなどで売っているものでOKです。
削り面は平らな平ヤスリが条件で、なるべく20cm以上の長めのものが使いやすいです。
それから、刃物とちがってそこまで精密さは必要ないわけですので仕上げなども細かくは必要なかろうと思っています。
私は、ニコルソンの万能ヤスリを使っていますが、使いやすく、10年以上使ってもまだまだ現役です。すごくオススメ!
さて、ヤスリが用意できたら、あとは研ぐだけです。はじめは慣れないので万力などで動かないように固定して研いでもよいかもしれませんが、そのうち手や足で抑えるだけできれいに研げるようになると思います。段差のある階段や角材を利用するとよいと思います。
基本的には、側面を研いでいきます。
間違っても角を丸くしたり、平面を研いだり、先端だけを研いだりしないように!
矢印の側面を研ぎます
研ぐ面に対して、きれいに平行に研ぐために、1回ごとに押して研ぎます。
鋸で切るときのように前後させると、押すときと引くときで角度が変わることが多く、たいてい面が丸くなります。
なので、押し当てて研いで、また戻して、押し当てて研ぐという作業を繰り返します。
12本爪の研ぐ順番はとくにありませんが、フロント爪は最後にしたほうがよいでしょう。固定でどうしても当ててしまいます。
こんなときは、頑張って研ぐしかないのですが、アイゼンの爪の場合、若干先端部分を深めに削っていきます(三角図)。あまり削りすぎると鈍角になってしまいますが、先端部分ですこしカーブさせても良いですが、徐々にに先端を深めに削っていくのがいいと思います。
間違っても、将棋の駒のようにならないように!
丸まったグリベルのアイゼンの爪
若干カーブを意識して側面が丸くならないように研ぎます。(エッジを立てる)
フロントポイントを比べてみる。
研ぐ前(右)と研いだ後(左)
先端に指を当てて、ある程度食い込むようであればOK。あまりシャープに研ぎすぎると、寿命を減らしてしまうのと、どうせすぐに磨耗するので、刃物のように研ぐ必要はなし!
ただしアイス用ならそこそこシャープに♪
グリベルのアイゼンの場合、かかとなどの爪は、薄っぺらい平爪が採用されていますので、
ここだけは、側面を研がずに、広いほうの面を研ぎます。
片面は全体を軽く慣らしたあとに、もう片面でやや角度をつけてナイフブレードのように仕上げます。これも、ナイフさながらに尖らせると、折れますので、すごくシャープにする必要はありません。
次に、グリベルのピッケル。先端が痛々しいです。
まずは、両面を軽く慣らした後、ピックの背中(上側)を先端1/3くらいのところから、先端に向かって削っていきます。
両面、ちょこちょこ返しながらやるのがコツです。でないと、片側だけ削りすぎてしまいます。
背中のラインを見ながら、両面均等に削ります。先端は削り過ぎないように全体の形をととのえていきます。
だいたい形ができたら、最後に先端をきれいにします。
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ピックの先はたいていつぶれて、いますので、若干角度を起こしてあげて軽く削って、つぶれた部分を消していきます。
ここでは、ピックの底面(下の平な面)は削らないように!
余裕があれば、ピックの返しの部分(ギザギザ)も研いであげます。(返しはつぶさないように)
こんどはピッケルのアッズの部分。
これはひどい!ボコボコです。何を叩いたんだか…
まずはヤスリの平面を使ってフレキシブルに動かしながら、上表面のバリをとってきれいに慣らします。アッズは片刃なので、ここでは角度をつけて削ってはダメです。あくまでも並行に。
次にヤスリの側面(縦の面)を使って、アッズのカーブした内側を削っていきます。
両サイドからセンターに向かって、ずらしながら(移動させながら)押して削っていきます。
同じ位置で削ると溝が出来てしまいます。
1回でまんべんなく削ろうとせずに、何十回かで全体がきれいになればいいのです。
これも慣れたら難しくはありません。
こんな感じです。
ピッケルの石突のほうも同じように研いであげます。石突はモノによって形状がちがいますので、それに準じて研ぐ面を考えてください。
最後はきれいに仕上げ磨きをしてあげて、防錆剤(クレ556や油でもOK)をして完成です。