登山用ヘッドライト 私はこうやって使い分ける…そしてフェニックスHM65R-T V2.0を手にする

全国のヘッドライトファンの皆様こんにちは。
登山用のヘッドランプ、何つかってますか?
今回2024年最新のヘッドライトが手元に届いたのでいろいろ書きたいと思います。



ヘッドライトに関しては、それぞれ使い方にスタイルがあると思いますが、私の山岳ガイドとして日々使っている者としての目線として書かせていただきます。

ハイパワーVS軽量コンパクト時代

昨今のヘッドライトの進化ぶりには目を見張ります。
LEDライトの登場でいっとき、私もいろんなヘッドランプを探し求めていましたが、いまは、ほぼこの2種類に収まっています。
①軽くてコンパクトでそこそこ使える、ザック内保存用
②重さ度外視に高性能なルートファインディング用
ヘッドランプって、そんなに使いませんかね?
一般の登山者の方で山小屋泊の方ならなおさらでしょうか。
そんな方は①の軽量コンパクトなのですが、今はいろんな世情もあって、テント泊はもちろん必須ですが、日帰りトレラン・ファストハイクで歩く人も多く、朝暗いうちから行動する方も増えていると思います。
私もガイディングで日帰りプランが増え、未明から歩くことはけっこう多く、ヘッドライトを使うことも増えてきました。
当然、歩くのは平坦な場所だけでなく、ガレ場や悪路もあります。
そんなときに、頼りにならない超軽量小型のぼんやりライトでは、ペースも出ませんし、なによりルートファインディングできません。
先頭を歩くリーダー、ソロイストの方はとくにハイパワーLEDのヘッドライトをおすすめします。

 

保管用に使っているBDのスポット


長年愛用しています、BDのスポットですが、そこそこの明るさ、軽さ、そして名前にもなっているスポットライト点灯が可能な優秀なヘッドライトです。使う予定がないときはいつもこれを持っていきます。95gで軽い!
ただね、、、これ、3代目なんですよ。よく壊れるw 保管用ゆえに?ザックの中で潰されてレンズが割れたりしています(笑)しかし、最新モデルは専用バッテリーとなっていて、使い勝手も上がっています。たぶん、また壊れても、またまたこれ買うな(笑)

 

夜間(未明)歩行が確定なときはハイパワーLEDライト HN10(HR8)


メインに使っているヘッドライトはレッドレンサーのMH10(現行H8R)
なんと600ルーメンのハイパワーでめちゃくちゃ明るくて、使った当時はかなり革命的でした。これを使い出すと、もうBDのスポットがメインには戻れない感じです。加齢で視力も落ちてるし(泣)
高出力LEDライトは、ルートファインディングするときもかなり遠くまで見通せて素早い行動判断がとれます(時間ロスをなくす)。ライトのリングを絞ることにより、より強力なスポットビームになるのが良いです。
ここでスポットにこだわっているのは、これは経験しないとわかりませんが、山の中で霧に巻かれたときに、拡散ライトではぼやけて足元すら照らすことができなくなって動けなくなります。ガスったら拡散はアウトなのです。なので、私の中ではスポットは絶対に無いといけない仕様となっています。

 

最大1600ルーメンのさらに軽いヘッドライト フェニックスHM65R


今回取り寄せたのはその最新型HM65R-T V2.0というトレラン用の高出力ヘッドライトです。FENIXというライトを専門に作っているメーカーで比較的新しい会社なのですが、アマゾンではもう定番となっていました。
HM65Rはバッテリー部が独立してなく、かつシングルバンドタイプなのに、1600ルーメン(点灯時最大)という明るさが謳い文句。うそやろ?ちょっと明るすぎん?

パッケージに内蔵していたのはリチウムイオンの3.6V3400mAhのバッテリー。
一昔前の携帯のバッテリーくらいの容量ですね。このバッテリーだけでずっしりと重く、量ったら51gでした。

 


ヘッドライトの本体重量はバッテリー込で公式140g。確かにぴったり合っていました。
少し重いのかなと一瞬思いましたが、600ルーメンのレッドレンサーH8Rが158g。1500ルーメンのブラックダイヤモンドのディスタンス1500でも213gなので、クラス最軽量級な感じですね。

 


サイズ感ですが、かなりコンパクト設計になっていて違和感はありません。
防水・耐衝撃対応。

 


ボタンは2つ。スポットと拡散。スポットは130~1600ルーメンの白色3段調整、拡散は5~800ルーメンの暖色の4段調整。0.5秒の半長押しスイッチで切り替え。軽押だとバッテリー残量チェック(4段階)。
細かいことですが、最初の点灯がLOWなのは、山小屋などでいきなりハイパワーで人を照射しなくて済むので良いです。直視すると、マジ目がやられます(ヤラレタ

 


両ボタン3秒長押しでロックできますが、収納時にはボタンが押されにくくなるのでロックし忘れてもザック内での誤作動防止にはマル。
そのほか、ボタン長押しで点滅のSOS信号は600時間点滅という。ハイパワーで3時間、400ルーメンの中高レンジで12時間と、通常使いには問題ないですね。
充電については、Cタイプの充電になります。3時間でフル充電。

 

コンパクトなのに明るい


さっそく明るさを比べてみます。30分ほど点灯させ続けてからのチェックです。
フェニックスHM65R(左)とレッドレンサーHN10(右)です。どちらもMAXパワー

 


さすがに1600ルーメンと600ルーメンの違いがわかりますが、レッドレンサーHN10は絞り込んで超スポットライトにできるため、1点での明るさは600ルーメンとしてはかなり優秀に思います。
しかし、これでわかったのですが、HM65Rは、スポットでもそれなりに拡散光がでるので、行動中でも全体も見渡せます
未明のバリエーション取り付きなどで、ルートファインディングにHN10のスポットをつかっていましたが、足元や左右が真っ暗になるので、それなりにあちこち照らすか拡散に切り替えたりして歩いていたのですが、HM65は無駄に多い光量で(笑)周囲も照らしてくれるようです。トレラン用とあって、足元から数百M先まですべてカバーできるってことですね。

 


ライトは30分ほどで、最大出力から光量が半減するのはどのライトでも体感します。1時間ほど点灯してみましたが、十分すぎる明るさのままです。

 

ヘッドバンドが群を抜いてスグレモノ


フェニックスのヘッドライトは、ライト本体だけではなく、バンドに注目です。
まず、このBOAのようなダイヤル式の調整です。
バンドを頭につけてカリカリ回して調節でき、かなり快適です。

 


さらに、このメッシュ構造の幅広ゴムバンドも気に入りました。
はめた瞬間にめっちゃいいってわかります。通気性はもちろんですが、幅が広くホールド感が他社ライトのバンドよりも高いです。走ってもズレにくいのとライトも揺れにくくなっています。さらに、ゴムの伸縮も通常のバンドよりもかなり硬めですので、経年劣化によるビヨーンもすくなく、冬山(マイナス10℃以下)でのゴムの硬直でつけられない!もなりにくそうで、期待できそうです。

 


温度対応はー35℃~45℃までとタフな構造。
バンドには緊急用ホイッスルもついていました。
カラーは3色(レッド系・パープル系・ダークパープル系)

 


また、デザインもHM65R-T V2.0はなかなか良いのですが、ボディがアルミニウム(マグネシウム?)合金です。
かなり頑丈ですが、MAXパワーで点灯するとボディが熱くなりました(多分50℃くらい)。これは~どうよと思いましたが、ボディにはhotと記載してあり仕様の模様。頭に直接つけても台座のほうはポリカーボネート製で熱さは伝わってきません。放熱の意味でも金属合金仕様にしているのかもしれません。長時間使用は400ルーメン以下が良さそうですね。

 


肉抜き・軽量化された台座。よく見ると、本体から着脱できるようになっていますから、割れたときに交換修理可能なのでしょうか。※サイトのアクセサリーでは未確認

 

ヘルメットにはつかない!?


残念ながらダイヤル式ベルトは長さに余幅が少なく、ヘルメットをつけられる広さがありませんでした。日本のアルプスなどトレランでもヘルメット必須な場所もありますから、(開発さん)今後の課題でしょうか? 日本の山岳エリアで使う者としては、ヘルメット装着仕様はほしいところ。とりあえず、別メーカーのヘッドバンドを流用すればつけられます。
私の場合は、バリエーションに行くにしても、岩場を縦走するにしても、ロープを使わなければ行けない場所でのクライアントを連れての危険箇所の夜間歩行は稀有なので(夜が明けてからヘルメット装着)、そんなに気になりませんが、この幅広メッシュバンドのダイヤル無しのタイプ(交換)があれば良いかもしれませんね。

 

とりあえず、まだ本格的に使っていませんので、今夏からメインに使っていきたいと思います。
以上、ヘッドライト考察とレビューでした。
ヘッドライトの日本販売はこちらのサイトとなります
※久しぶりにレビュー記事書きましたが、こちらはFENIXさまから直接提案のあった案件となります。たいていお断りするのですが、モノが非常に良かったのでお引き受け検証紹介させていただいた次第です。