黒戸尾根を使って七丈小屋に泊まり、甲斐駒ヶ岳から第二高点・鹿マドを通り鋸岳縦走、八丁尾根から下山しました。
楽しいけどマジで長かった・・・
八ヶ岳に移住してきて、家から一番に目に入るのは、実は鋸岳です。
鋸岳は、恥ずかしながらまだ登ってない山の一つでした。
これを毎日見ていると、
「そろそろ登らねば…」
という思いがありましたので、時間と天気の都合を見計らってソロってきました。
体力の都合もつけておけばよかったのですが、最近は日向山やら入笠山やらハイキングのみで、まったく運動不足状態でして久しぶりに完全燃焼。でも、爽快そのものでした。
鋸のルートには、長谷村のほうからのアクセスもあるようですが、せっかくですので地元である東側からがいいとおもいました。
最初はワンデイしようかと思っていました。
記録を見ると、釜無川の林道を使って横岳峠から登るのが近道のようです。
しかし、なんと林道の長い地味そうなルート…
そんな中で、七丈小屋(テント・寝袋不要)泊まりで抜けている記録をみつけました。
単なるピークハントもあれですので、せっかくなら甲斐駒ヶ岳から鋸岳の縦走は魅力的です。
地元の温泉で何気に手にした冊子に八丁尾根のことが掲載してありました。
八丁尾根とは、日向山から鞍掛山~大岩山を経て、烏帽子岳・三ツ頭と続く尾根です。
このルートは近年整備されたようです。
歩いて分かったのは、ものすごく歩きやすく、足にやさしい、長~いルートでした(笑
余談ですが、「鞍掛山」で気づいたんですが、鋸って、馬(駒)の鬣(タテガミ)だったんですね。
黒戸尾根から七丈小屋泊まりで、甲斐駒ヶ岳を経て、八丁尾根の分岐である三ツ頭、そこから鋸岳をピストンして、八丁尾根を下り、日向山から、竹宇駒ヶ岳神社に降りてくるというコースです。
正直、記録はみたものの、よく下調べもせずに向かったのですが、けっこう大変でした(笑
前日に上空寒気が流れ込み、降雪があり、ルートが不明瞭で三ツ頭から鋸岳の間、とくに鹿窓の取り付き点を探すのに迷って、体力も時間も消耗しました。
黒戸尾根、数年ぶりにきましたけど、やっぱ長いですねw
そして、途中で小屋の主人とすれ違いました。
なので、七丈小屋は第二小屋の無人小屋利用。
「水は置いてあります」
の返事に安堵していきましたが、第二小屋に泊まるのは初めて。
マットレスと毛布も敷いていただいていました。
水ポリのほかに、お湯のポットまで置いてくれていました。
しかもこんなのまで!
アルファー米やおしるこ&ドリップコーヒーと、賞味期限切れのカップ麺(100円!)
電気も普通につきますし、ストーブもあり、夜通しつけられます。
宿泊者は、若者と私二人だったので快適そのものでした。
未明3:40に出発して、どうしてもこの朝焼けに燃える駒ヶ岳が見たくて、ちょっと時間待ちました。
黒戸尾根の核心は、七丈小屋から少し登ったあたりの雪の斜面です。ちょうど樹林帯が消えるこのあたりが、積雪・残雪期は滑りやすく滑落の恐れがあります。
今回、トレッキングシューズに軽アイゼンというナメた装備でしたが、前日の雪はそこそこ降ったようでした。
頂上直下のクサリ場は、さらに整備されていてプロテクションはしっかりしています。
八丁尾根のルートもそうなんですが、フィックスの張り方やロープのつけ方がかなり上手です。些細なことですが、ロープの張りや足場の動きを意識したたるみなど、匠技を感じますので、すごく安心感がありました。
駒ヶ岳からの下り~三ツ頭までは概ね花崗岩の下りとなります。
歩きやすく、クサリ場なども少なく、注意して歩けば問題ないプロムナードです。景色も素晴らしくアルプス縦走の醍醐味が味わえる場所です。
途中、六合目小屋である石室があります。従来の鋸縦走ですと、ここで泊まるのがスタンダードです。中は8名でいっぱいな感じで、他のパーティとバッティングすると大変そうです。
六合石室からすこし下ったところにテン場に適した砂地のコルがあり、そこから三ツ頭への登りです。
三ツ頭から鋸岳間は、急にルートが悪くなってきます。やはり鋸岳は甲斐駒ヶ岳とは一線を画する山だと実感できます。地層がまったく変化しますから、様相も雰囲気も変わります。それにしても、ナニコノガラガラ感。
とくに第二高点へのガレ場は落石に注意。ガーガラでしたw
道も不明瞭で、間違いルートもあります。
樹林帯も雪で苦戦。スパッツ必携ですね!忘れたけど。
今回は降雪があり、踏み跡がよくわからずに、とくに第二高点からのルートファインディングに苦労しました。
第二高点からは、仙丈ヶ岳方面に向かって下り始め、ガレたルンゼに出るまで下り続けます。そこから、対岸に移ってトラバース道を登ると、鹿窓のコルが見えてきます。
鹿窓下部はガラガラしていますので、左手草地にジグザクに切った踏みあとを使うほうが安全です。
急ば絶壁となる部分では、必ずクサリが設置してあります。もし難しい岩場が、フリーで出てきたら、ルートが間違っていると判断していいでしょう。夏場なら、ルートは見つけやすいことでしょうが。
鹿マドきたぁ~♪
鹿窓を越せば山頂まではほどなく辿り着きます。顕著なピークからは360度見渡す限りの山々のパノラマが広がっていました。
鋸岳往復でちょっと時間を消耗しましたが、本当に消耗したのは体力でした(笑
しかし、三ツ頭からは、快適でした。
烏帽子岳は花崗岩の岩山ですが、花崗岩となると、俄然歩きやすくなりますね。
八丁尾根のルートは、本当にまだ新しい感じがしますが、目印もわかりやすく、要所のクサリやフィックスも最善です。
おまけに急斜面以外は、コケや枯れた樹木の絨毯でフカフカなので、膝に優しく降りられます。
核心は大岩山への登りです。
コルから長いハシゴを経て、ワイヤーとクサリとロープのフィックスを百mほど登っていきます。
腕力残しておきましょう。
大岩山からは然したる危険箇所もなく、癒しの森となります。
ただ、人も少ないので動物も大勢います。
残雪なかったら気づかなかったよ、森のクマさん!
鞍掛山分岐を過ぎて痩せ尾根を下れば、日向山へは向かわずに、雁ヶ原のちょっと手前から、錦滝に直接下りるトラバース道が早いです。
滝で潤ったら、矢立石まで水平林道。惜しむらくは、ここに自転車をデポすればよかったと思いました。
矢立石から竹宇駒ヶ岳神社までは40分ほどの下りです。
駒ヶ岳神社~七丈小屋:9.16km
七丈小屋~駒ヶ岳~鋸岳~八丁尾根~駒ヶ岳神社:21.97km+ロス
黒戸尾根から七丈小屋泊まりで鋸まで行く場合、時間との勝負になります。
今回、ルート探すのと体力不足などもあり、14時間ほどかかりました。
鋸岳にこだわらなければ、甲斐駒から八丁尾根をまわって降りるだけでもかなり楽しいです。
ペースが遅い場合はやはり六合目小屋石室に泊まっていくのがベターでしょうか。