山(岩も含め)の世界に入ると、必然的に自分の生活の中に自然と接することが多くなります。
山は趣味であって、私は自然に挑戦する、
はじめはそんなスタンスでしょうか。
しかし、人間目線のそれは、いかにも狭い視点でしかない気がします。
長らく登って気が付くのは、そもそも自分自身が自然だったという結論です。
それは理屈ではなく、感じ(体験)として理解します。
もうずいぶん前になりますが、ボルダリングが日本でブームになりだした頃、クライミングよりもボルダリングが楽しくて、近くの河原のボルダーで遊びまくっていた時期がありました。
その時は、上手くなりたいというのと、楽しくてしょうがない、というものでした。
"明け暮れ"るという言葉がぴったりで、それこそ夢中でした。
今のようにクライミングジムなどありませんでしたから、とにかく岩場が遊び場でした。
ある夏の夕方だったと思います。
この日も大人同士で、夕日を浴びて、擦り傷つくって、おなかがすくのも忘れて遊んでいました。
「夕日を浴びて暗くなるまでボルダーやって、子供みたいやね・・・」
そのときのことを、数年後に聞きました。
あの時のあのセリフが今も忘れられないって。
今の時代に必要なこと、それは明日のために要領よく考えることではなく、今の瞬間に夢中であること、没頭すること、善悪・白黒区別しないこと。
自然の中でいること。
そこで患った思考を停止すること