パタゴニアフリース 着こなし術

パタゴニアのフリースも従来のR1に加え、R1エアーやテックフェイス、R2テックフェイスなど様々な種類のフリースが出てまいりました。
登山、とくに雪山での重ね着、どうすりゃいいの?って迷いません?
すこしだけその選び方を紹介します。



山は重ね着が基本って言うけど…

登山、こと雪山においては、レイヤリング(重ね着)は基本中の基本です。
私のガイドツアーに初参加される方も、どういうウェアを持ってくればいいかと迷う方が多数いらっしゃいます。
そうですよね…
しょせんは、回数重ねてレイヤリングを覚えるしかないのですが、買い揃えるとなるとなかなか大変です。

 

まずはレイヤリングの状況を考える

重ね着が必要ということは理解できると思うのですが、それがどういうことなのか、具体的にわかってない方が多いと思います。
まぁ、まれに、スキーウェアとかで来ようとしている方もいますが…これは、山がなんなのかすらわかってない方ですね。1枚が分厚いと、激寒か激暑かの2択になってしまいますw
で、登山で着たり脱いだりできるように、薄くウェアを重ねて体温調整していく、というのがレイヤリングの基本です。

 

では、レイヤリングを必要とする状況を実際にイメージしてみましょう。
まず、着る必要がある状況について
①出だし、小屋を出発するとき
②稜線など風が吹いて寒くなってきたとき
③登頂後、下山するとき
④天気が悪くなってきた、午後に気温が下がってきたとき
など
それから、脱ぐ必要があるシチュエーション
⑤歩きだしてあつくなってきたとき
⑥風が止んで暑くなってきたとき
⑦下山して標高が下がってきたとき
⑧天気が良くなってきた、気温が上がってきたとき
他にもあるでしょうか、ぱっと考えてこんなかんじ。

 

まず、寒くて着るシチュエーション
①の出だしは、寒いからといってかなり着込んでいる方が多数ですが、これも登山の鉄則なのですが、
歩くときは一枚脱いでから歩け
です。
いつも「暖かくてちょうどいい」からスタートする人たちよ…
いい加減学べよ(心の声)
このときは、概ね樹林帯とか登山口とかなので、風の心配がないので、外側のアウターは冷え込んでいない限りあまり着ません。
そして、さらに脱ぐとしたらより通気性の悪いインサレーションシェルなどでしょうか。
②の場合は、稜線に出てきて、気が付かないうちに気温も下がっていたりします。それに加え、風がでてきて、いままで着ていたフリースだけでは、体がスースーして寒くなるパターンです。この状況は汗を書いていますので、すぐ冷えます。できればインサレーション系よりも、防風のソフトシェルやハードシェルジャケとtが良いかもしれません。
③は登頂して下山するタイミングです。ハードないしソフトシェルを着ている場合は、中にもう一枚フリースかインサレーションを重ねます。雪山ではそんな状況も行ってられない場合も多いですから、これは少し下山してから安全な、風のない場所などでの作業になるかもしれません。なので、②で切るタイミングのソフトやハードシェルジャケットなら、防風性もありかつベンチレーションしやすいですから最適なのです。
④は、気候のコンディションですので、この先ずっと寒くなる可能性が大ですので、中間着もできれば着ておいたほうがよいでしょう。
お次は暑いとき脱ぐシチュエーション
⑤は出だし。①で述べたように、歩くと体温が上がるので、そのつもりで予め脱いでおくことが鉄則。
熱くなったらぬげばいいよ!って夏山ならいいけど、雪山の場合は、汗が体温奪うので、暑くなる前に手を打つんですよw
⑥風の有る無しでの寒い暑いはけっこう面倒ですね。そこが稜線の場合は、防風性のあるシェルを残して、中間着を脱ぐというのも手です。樹林帯に降りてきたようなら、通気性重視で。
⑦これも樹林帯まで下げると、暑くてたまらなくなったりします。安全圏ですから、涼しいくらいに脱いで結構。
⑧は④と同じですから、この先も同じ状態が続きそうです。登りか下りかで決まってきます。

 

これらを踏まえて考えてみます
レイヤリングの基本 4層で考えてみる
3層とか5層とかいろいろありますが、単純に4層で考えてみるとよいです。
1層目 まずは肌着です(1-2マイ)。
これは基本的に脱ぎ着はしません。
2層目 フリースやウールなど
2層目も基本的にはあまり脱いだりしないと思います。なので、通気性があったほうが良いです。
3層目 フリースやダウン・下線インサレーションなど
いわゆる中間着となる場所で、脱ぎ着を頻繁にします。
ダウンや化繊インサレーションは防風性が高く保温性も高めです。超寒い状況を想定するならこれ一択です。
厚めのフリースにするという手もあります。インサレーションよりも圧倒的に通気性がありますし、保温性もあります。ただ風に弱いです。
4層目 ハードシェルもしくはソフトシェルジャケット
防風性の高いシェルジャケットです。当然、ベンチレーションが多分にできたほうが有利ですし。
防風性においては、ハードシェル、快適性においてはソフトシェルという感じですね。

 

パタゴニアのフリースの選び方

さて、つらつらとレイヤリングを書いてきましたが、パタゴニアのフリースの紹介です。
パタのフリースには、タイプとして、ジャケット(フルジップ)、フーディ(フード付き)、ジップネック(プルオーバー)の3種類がメインとなります。
それに加えて、R1がメインとなりますが、このフリースにはそれぞれ、
ノーマル・エアー・テックフェイスというパターンがあります。
ノーマルは従来どおりのフリースです。
エアーは通気性重視のよりアクティブな行動に対応しています。メッシュ部分が多く、保温性がそこまで高くありません。このへん、キャプリーンミッドウェイトとのほうがいい感じもしますが、フィットが違うので使い所でしょうかね。
そしてテックフェイスは表面をさらっとした感じにして多少の防風性と撥水性を出しています。抜けが少々阻害されることで保温性もUP。冬場はなかなか使えそうです。

 

そして4層のレイヤリングでいくと、フリースは2層目が主となりそうです。
その場合、使いやすいのはR1です。
入門者であればR1のプルーバーがやはり汎用性が高くベターだと思います。
エアーは抜けの良さがありますので、サクサク歩くソロの方やテント泊などによいかもしれません。
テックフェイスは使い所が難しいようですが、厳冬のレイヤリングもしくは春秋の3層目とかにも使えそうです。
また、今期は新しくR2テックフェイスというのが登場しています。
R1だと少々薄い感じですが、R2は冬に使うフリースとしてはかなりいい感じです。
テックフェイスは多少の防風性があり、2層目としてだけでなく3層目として使うこともできます。インサレーション、たとえばナノエアジャケットなどよりはさらに通気性があるので、保温より抜けを重視したい山行によいかもしれません。そういう意味では3月以降の雪山で威力を発揮しそうです。
ということでそれらを踏まえて自分の登山スタイル、使い所、体力や特性(汗かき・暑がりなど)を考慮して選ぶと良いでしょう。(ぼかした

 

パタゴニア公式サイト メンズ・R2テックフェイス・フーディ