パタゴニアのダウンインサレーション(ダウンジャケット)の中でも最も汎用性が高くて使い勝手が良いダウンセーター。ダウンのレビューをあまりやっていませんでしたが、今回はダウンセーターを、他のダウンジャケット(ウルトラライトダウンジャケットやダウンシャツ)と比べてどんな使い方ができるかをレビューしたいと思います。
ダウンセーターはずっと好きで、とくにスペシャルエディションが数年前にでたときは、すぐに手に入れました。
ダウンセーター自体はレギュラーフィットサイズで、とくにスリムフィットではないので、すこしゆったりしています。
インナー的な扱いではなく、R2やピトンハイブリッドジャケットなどのミッドレイヤーの上から羽織るのがよいでしょう。そういう意味では、インナーダウンというと少し語弊があると思います。
たしかに、ハードシェルやソフトシェルの下に着るのですが、その次のアウター、という位置づけです。
インナーダウンというのであればむしろ、ウルトラライトダウンジャケットが最軽量・最薄型で最適です。
これは、クライマーなどのミニマニストのためのアイテムですが、その軽さMs235gという驚異的軽量化によりインナーダウンとしてもこの上ない威力を期待できます。当然アウターとしての撥水性や強度もある程度は備えています。
また、そこまでハイエンドなものを求めなければダウンシャツもおすすめです。
よりコンパクトで薄型、そして、ダウンセーターよりも保温力を抑える(発汗しない)ことで、肌着の上からも快適に着用できるのではないでしょうか。フルジップデザインですし、インナーダウンといわず、汎用性の高いアイテムになっています。
ダウン・シャツ(メンズ&レディース)
ダウンシャツは600フィルパワーのダウンを備え、ダウンセーターと同じナイロンシェルです。キルトパターンを細かくすることで、ダウンのヨレを防ぎ、重さにしてわずか272g(Ms)。コストパフォーマンスに非常にすぐれたアイテムです。
それに比べ、ダウンセーターはアウターとしての仕様頻度が高くなりがちです。重さは371gと軽量ですが、その軽さは、ウルトラライトやダウンシャツに一歩譲っている形です。ナイロンは1.4オンスシェルベースで、中のダウンがそれほど透けて見えるほどでもないです。
フィッツロイダウンジャケットなど完全アウタージャケットは別として、
アウター・ミッドの両刀使えるダウンジャケットとして、非常に使い勝手がよいです。
上記の三つを比較してみます。
上記表からもわかるように、ダウンセーターはもっともスタンダードな位置づけかと思います。
保温性はダウンの量からいっても高いですし、クォリティも高く、メインでもサブでも使いやすいジャケットです。
しかし、ダウンシャツはコストパフォーマンスにすぐれ、ウルトラライトダウンジャケットと同様、軽量重視でこちらもなかなかのものですね。
ダウンインサレーションが初めてであれば、ダウンセーターがとりあえず間違いなかろうかと思います。
サイズですが、すこし大きく感じるはずですので、ワンサイズ落とすのをオススメします。あるいは男性であれば、あえてWsを使ってみるのも手です。
ダウンセーターには、フード付のダウンセーターフーディとダウンセーターベストもあります。
フーディは、ほぼ、ダウンセーターと同じデザインで、フードがついています。
Ms428g
山、とくに雪山では、フード付がよさそうですが、通常、バラクラバ(目出し帽子)のうえに、ハードシェルジャケットのフードをかぶることですむので、よほどのことがない限り、行動中には使いません。
クライミング中のビレイやテント泊の睡眠時など動かない状況においては有効かなとおもおもえます。
また、ダウンセーターベストですが、こちらは、デザイン自体がスリムフィットになっています。
正直、このダウンセーターベストの使用頻度が個人的には最も高いです。
密着した暖かさがあり、かつ、アイスや雪稜などルート行動中でも腕上げに支障をきたさないためとても重宝します。
雪山で主に使っていますが、ベストだと腕がないため寒いような印象がありますが、胴部の保温効果が高く、腕が寒いと思ったことはないくらいです。
しかもMs277gと軽量です。
ウルトラライトダウンベストは最軽量ですが、その重さ150gというのは、必要最小限であって、極限の遠征や春秋の行動ならまだしも、通常の冬シーズンには一般向けではないかと思っています。
ダウンセーターベスト(メンズ&レディース)
ダウンセーターはレディースモデルの場合は、両脇下のデザインがボディラインに沿うようにキルトパターンが違う。ダウンセーターも同じ。スリムフィットでとても使いやすい。