ネパールの地震|現状と今後を思う

ネパール地震、usgs地図

ネパールでM7.8という規模の大きな地震が起きました。すでに本日付けで被害がまだ拡大しているようです。ヒマラヤの国として日本でもゆかりのある地域だと思いますが、私も人事ではないという思いです



ネパール地震の情報をはじめに知ったのは山でスマホのニュースからでしたが、M7.8で震源の深さが15kmというのを見て、これはまずい!と思いました。
15kmというと、もうダイレクトに伝わるレベルです。日本の地震はM6クラスが起きても、たいてい深さ60~kmとかが多いので、その場合は、なら大丈夫だ、という思いでいます。
ネパールの地震の映像を見ていますと、震度3-5くらいの揺れが1分くらい続いています。
正直、壊滅的なのではと思いました。
被害はもう一桁くらいはあがる気がします

 

ネパールはヒマラヤ・エベレストの国として、山好きな人にとっては、トレッキングでもお馴染みの国ですが、行った事あるかたなら当然街の様子も分かると思います。
そして、その街の様子をみて、たいていの人が思ったことがあるんじゃないでしょうか。
「これ、地震が起きたらすごいことになるんじゃないか」と。

ネパールという国

ネパールは日本よりも小さな面積の細長い国土に3000万人くらいの人口だそうですが、首都のカトマンズを中心に、かなりの人が中心地に密集しています。
その密集ぶりは、はんぱなく、高層ビルはないものの、レンガやモルタルの家がひしめきあっています。
建物はレンガ率が非常に高くて、映像でみるダルバールスクェアの古い寺院なんかもそれ系だとおもいます。
モルタルの家は、日本のように鉄筋が強固に入っているかというと、住宅の屋上からみるとよく分かるのですが、貧素な鉄筋が建築中のように屋上から出ていたりするので、その弱さもなんとなく分かります。
ダルバールとタメルの風景が映像でよく出ますが、それ以外にも、民家は密集していて、パタンやバクタプルなど古都とよばれる街もあります。
街の一角にはかならずスクェア(広場)があり、そこで野菜や雑貨などの露天もあるので、避難場所は各スクェアになるでしょうか。
道路を走っていると、アスファルトなのは大きな主要道路と交通網の多い部分で、街中でも脇道にはいると、舗装されていなかったり、ちょっと郊外にでるとダートです。そして、道路工事や水道工事をしている様子は、そこに重機や機械類はほとんどなく、ツルハシや一輪車を使った人界戦術あるのみです。
郊外の家は、レンガやモルタルではなく土壁の家が多くなります。最近はどうかわかりませんでしたが、ガスは多くがケロシン(灯油)のガスストーブ(キャンプのような)を使用していて、都市部以外は、電気も希少でケロシンランプが多いです。
街人は室内の掃除(箒)ででたゴミはたいてい道路に捨てます。そこに、バイクや車がラッシュするのでものすごくホコリっぽく、不衛生です。なので、感染症の蔓延率もハンパないかもしれません。
地震をほとんど経験したことがない人が多数だとおもいます(地震がかつてあったようですが)。おそらく懸命の救助のリミットがすぎたあとで、何をしていいか分からない状況がつづくでしょう。問題なのは、この国が、世界でもかなりの貧困国だということです。
そんな様子を見ていますと、現段階+今後が心配です。

 

復活が厳しいんじゃないでしょうか

日本の場合、阪神淡路の震災でもかなり大きな被害がでましたが、復興もはやかったです。
しかし、ネパールの場合、ほとんどの家屋が「信頼が置けない」状況だとすると、どの家にも住めないという気がします。
それに加えて、重機がほとんど無いといっていいんじゃないでしょうか?
ネパールで重機をほとんど見かけたことがありません。
東日本震災のときに1週間後に南三陸を訪れたときには、瓦礫の山となった志津川町の平地に、自衛隊が道を切り開いていたのには、その早さにかなり驚きをかくせませんでしたが、ネパールの場合、ほぼ手作業となります。
日本からも70名の援助隊が向かいましたが、あれは、次の手を打つための視察だと信じたいです(70名が手ぶらでいっても・・・)
私は、ネパールで3度入院したことがあるのですが(ナイショだった)、医療機関もぜんぜん足りていないです。しかも今回は、病院も余震のことを考えると、使えないでしょう・・・

 

援助の要はインド、でも…

インドとの交易が盛んで、陸路が発達しています。モノはインド製のものがたくさんあります。私も、ネパールからインド、インドからネパールに陸路で何度かいっていますが、国境をあまり感じさせないくらいの交流があります。インドからの物資や重機などの援助が主力になるのじゃないかと思います。そうしないと、相当量の難民がいっきに出るのではないでしょうか。
数日から数週間の、とりあえずの衣食住や医療の援助に加え、とにかく重機・機械類などの輸送が優先だと個人的に思います。
日本からできることの大きなものは、やはりお金です
一人当たりのGDPがたったの600ドル程度、です。裕福な日本人が100円づつ援助するだけで、かなりの支援になると思います。ただし、です。
この国、汚職と賄賂が蔓延してどうにもならない情勢があります。インドも似たようなものでしょうか…デリーでは空港の保安検査ですら賄賂を要求しますし。
そして、もっともやっかいなのがカースト制度のような気がします。
ということで、支援先団体はすこし選んだほうがよさそうです。少なくとも、現地政府に丸投げするようなところは、避けたほうがいいでしょう。
それでも、まったくないよりもマシですが。
分からなければ、とりあえずユニセフなのかな・・
http://www.unicef.or.jp/
先の震災の経験からすると、寄付金がいっきに使われることがない(ストック)ので、慎重に振り分けていくのが良いと思われます。

 

ヒマラヤ登山&トレッキングと震源地

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エベレストBCの雪崩がスポットされていますが、不思議なのは、他のBCなどの情報が入らないことです。実際はどうなんでしょうか?
8000m峰や7000m峰はまだたくさんありますし、プレモンスーン時期なので、遠征隊は大小入っているはず。トレッキングもまだシーズンですから多くの人がおとずれているとおもいます。
USGSの発表している震源地からすると、人気エリアのアンナプルナが近く、最も近いのはマナルスやランタンエリアです。
今後、さまざまな情報がはいってくるのでしょうか・・・