パタゴニア アルパインフーディニとフーディニの違い|今後の雨具のあり方を考える

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アルパインフーディニジャケットは撥水のソフトシェルフーディニジャケットに防水加工を施した、準ハードシェルです。
耐水圧10000mmというレインウェアに匹敵する防水効果をもたらしたこの超軽量ウェアについて、既存のフーディニジャケットとの比較をしてみます。

最後に今期使用した感想の追記を入れています




しかし、よく振ります、6月。そろそろレインも交換時期かなとおもい、トレントシェルをみていたのですが…
ポチっとしたのが、
アルパインフーディニジャケット
でした…(*`・ω・)ゞデシ

 

フーディニはその軽さ使いやすさ着やすさ、において、ものすごく重宝しているジャケットでしたので、このアルパインフーディニが発売されてからとても気になっていました(買う口実を探していた)
で、その違いがよくわからない方も多そうなので、さっそくフーディニもいっしょに着比べてみていきます。

 

準ハードシェルとは

「準」なんて都合の良い呼び名をつけていますが、すでに、パタゴニアだけでなく、超薄型のナイロン防水シェルは各ブランドどもそろいつつあり、このジャンルは確立されています。

 

雨具でもない、ソフトシェルでもない。。。
なんなんだΣ(゚Д゚)
というシロモノです(笑

 

要は、従来の極うすソフトシェルナイロンに、メンブレンを吹き付けて、防水性をだしているというのです。わすか187g!(Ms)
パタゴニアのアルパインフーディニジャケットの場合、このメンブレンによる耐水圧が10000mmというのです。
ほぼ雨具並みといってよい数値だと思います。

 

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当然裏地の縫い目はシーリングされていて、フロントジッパーには水や風の浸入を防ぐミニマムサイズのストームフラップがついています。

 

コンセプトはパタゴニアのPR動画や写真をみてもわかるように、クライミングでの使用です。従来、フーディニがその役割だったのですが、私も思っていたのですが、
日本の雨じゃ、フーディニのソフトシェルはちょっと通用しないことが多いのです。
また、山で使用する場合は、濡れてしまうことは危険ですし、小屋やテント泊では、やっぱり濡れる前の防御が必要ですので雨具に頼らざるを得ません。
そこで、このアルパインのジャケットが登場ですb
ようするに、想定外の「雨」がきたときにでも、とりあえず対応してくれるんだけど、荷物になってはアカン、アイテムがコレなんですね♪

 

アルパインフーディニとフーディニとの違い

では、サイズなどの違いを見てみます。
表題の写真(フーディニ・アルパインフーディニ)はどちらもMsのSサイズです。
よくみると若干の違いがみられます。
まず、アルパインフーディニのほうは、裏地がメンブレンでコーティングしてあるので、じゃっかんナイロンの硬さとラバーの摩擦感を感じます。
フーディニがさらっとし過ぎなんですけど^^;
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大きめのジッパーにプル用の紐をつけるなど各所、グローブなどでの操作性を向上させています。
チェストポケットをインナーに切り替えて、レイン仕様にしています。

 

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同じサイズでも、袖の長さが違います。アルパインフーディニのほうが、長めにつくってあり、インナーや中間着にも対応できます。
また、袖の部分もシンプルではありますが、ベルクロ締めが無いぶん、絞りゴムを全周(フーディニは半周)させ、重ね着にも対応しています。着丈はほぼ同じでした。

 

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フードにはレインと同じツバがついています。そして、フーディニでのフードの完成されたフィット感を期待していましたが、期待を裏切りません!
アルパインフーディニは、ヘルメットもスッポリです。東京消防庁の防災ヘルメットで試してみても、すっぽりはいります(ツバが上むいたりしない)
しかも、ヘルメットなしでは緩いかというと、そうではなく、後頭部のゴムで締めれば、帽子をかぶるようにぴったりフィットします。

 

 

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そのほかに、裁断のデザインが若干違います。
恐らくアルパインフーディニのほうが、多少動に違いがでても、縫い目を少なくするなどのためにシンプルにつくっています。
裾の絞りは両者同じです。
ジッパーの硬さですが、良好で、アルパインのほうが若干硬さがあるくらいです。

 

汗の抜けについて

これはまだ、試してませんが、
やはり、ゴアなどの透湿メンブレンにくらべると落ちるのではないでしょうか?
(というか汗が抜けませんw)
つまり、ゴアテックスやH2NOのほうが、蒸気の抜けは良いはずで、アルパインフーディニでマジ登りすれば、汗でぐっしょりになる可能性があります。→なりました♪
おまけに、最近のレインジャケットのように、脇下の換気ジッパーなどもついていないので、いくらほかのレインより薄くても、使いづらい部分がでてくるでしょう。
(あくまで、クライミングの下降などを想定しているんでしょうね)
なので、普通の数泊する縦走登山などには、メインの雨具としては不向きだといえます。
雨具なしで、これに頼る登山は、ちょっとキケンな香りもします。
ただし、バリエーションや岩場などのコースを歩くときは、有用に思います。
つまり、たとえば北アルプスの剱岳などに向かうとして、当然晴れていることを条件に登頂、あるいはバリエーションコースを歩くわけです。
そのようなときは、不慮の悪天に備えるという意味で、このアルパインフーディニが荷物にならずに重宝します。
また、一般登山において、常用的な使い方としては、私のように、雨の日は、傘をさすというスタンスなら、快適です。
フロントジッパーを大きく開けて使えたりするからです。(もちろん稜線で風がふけば、傘はつかえませんが、そのときは、暑さも吹き飛ぶはずです)

 

つまり、用は使い方次第で、とても快適になるということはわかると思います。
この「準ハードシェル」をどう使っていくかにもよりますが、軽量感はこのうえないもので、他の軽量化された雨具をはるかにしのぐ軽さは見逃せません。
装備(防御)の厚さ・薄さが、同じパーティーで割れることも想定できますので、使い方を誤らぬようにしたいですが、今後、もっと機能的になることを考えると、主流になっていく可能性も秘めています。
ということで、ひとまずイチオシのアイテムになることは間違いないのでした!

 

追記です!
今季、剱岳のバリエーションなどで使用しました。
天気は本番は持ちましたが、アプローチ(剣沢までの登山)では降雨。
そのときの1-2時間のハイクアップでアルパインフーディニに裏側は汗で濡れていました。
やはり抜けません。
しかし、このような軽量化重視というスタンスでは、だからどうしたという程度です。
すこしくらい汗ぬけなくても、軽くてスピード優先なのです。
同じコースでフーディニ(ノーマル)+傘でも使ったことがありますが、この場合のほうが快適でしたが、風があると、傘させませんので、不安が残ります。
無難なことを言えば、ワンデイスピード登山なんかで効果絶大だと思います

 

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